理学療法・作業療法共用試験機構設立の趣旨

理学療法士及び作業療法士の養成は昭和38年に国立療養所東京病院付属リハビリテーション学院で開始された。その後、昭和54年、3年制短期大学が金沢大学医療技術短期大学部で設立、平成4年に4年制が広島大学医学部に設立された。また、理学療法学及び作業療法学分野の大学院修士および博士課程が設立され、多くの学位取得者がみられるようになった。このように理学療法士及び作業療法士のレベルの向上、社会的な役割及び認知度が向上してきた。しかし、平成6年より、理学療法士及び作業療法士養成校が急増し、理学療法士の4年制大学が75校、専門学校が140校合計で225校となり、入学定員が13000名(20年前は1000名、10年前は3500名)を超えている状況である。
 このようなことから、最近、養成校の学生の能力の変化がみられ、また実習先でのトラブルも増加している現状である。実習先では知識不足、態度不良などが多く指摘されている。また、同時にリスク管理上、学生の能力低下により、学生が患者を評価、治療中に事故もみられることが多くなってきた。そこで医学部(社団法人で設立)および薬学部(NPO法人で設立)でも導入されている共用試験と同様な試験が必要となってきている。共用試験は、各教育機関が臨床実習行く前に、知識、技術、態度の試験を実施し、臨床実習の可能性を判定する試験である。知識面では、コンピュータによる5者択一の問題の実施、実技および態度はOSCE(客観的臨床能力試験)で実施される。これらを導入することにより、病院等での臨床実習における評価、治療を安全かつ適切に実施が可能となる。また、各養成校で実習前の試験を実施している場合があるが、教育した教員が、独自で学生の能力を評価することは、適切でないことが多い。これらのことから、全国に共通した試験を導入することにより、統一した試験により統一した判定が可能となる。
 以上のことは、理学療法士及び作業療法士のレベルアップなどにも考えられ、同時に国民へのリハビリテーションの推進および適切な治療、医療の向上に寄与できる。
 よって、ここに、理学療法及び作業療法共用試験機構を設立することにした。

設立経過

平成21年9月7日 設立総会
平成21年9月14日 東京都へ NPO法人認証申請
平成21年12月25日 特定非営利活動法人(NPO法人) 認証決定
平成22年1月6日 東京法務局 設立登記
平成26年1月30日 名称、業務内容の変更のため、再認証申請
平成26年4月19日 認証決定 理学療法及び作業療法共用試験機構と改正